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Apple WatchでAIが動く メモにも対応する「watchOS 26」
2025年6月10日 12:46
アップルは9日(米国時間)、開発者会議「WWDC 2025」において、Apple Watch向けの最新OS「watchOS 26」を発表した。Apple Intelligenceを活用した新機能「Workout Buddy」などを搭載し、Apple Watch Series 6以降、Apple Watch SE(第2世代)、Apple Watch Ultraモデル向けに、2025年秋に提供予定。
watchOS 26では、アップルソフトウェアの新たなデザインである「Liquid Glass」を搭載し、ほぼすべての画面を刷新。スマートスタック、コントロールセンター、「写真」文字盤、アプリ内のナビゲーションとコントロールなどの機能の表現力を高めている。
Liquid Glassは、リアルタイムのレンダリングを行なうことで、表示するコンテンツを反射や屈折させ、あざやかで表現力豊かな体験を実現。「Apple Watchを楽しく使う」体験を目指す。
また、watchOSにApple Intelligenceを導入したフィットネスメニューの自動生成「Workout Buddy」に対応。Apple Watchが、パーソナライズされた、モチベーションを高める声がけを行なうようになる。
例えば、ユーザーがランニングを開始する際、Workout Buddyが励ましの言葉を送り、その週のこれまでの走行距離を伝えたり、アクティビティリングの目標に対する進捗を共有する。
また、ワークアウト中には1kmあたりのスプリットなどの情報を記録しながら、ペースなどを案内し、ワークアウトを終えると達成した成果を称える。なお、Workout Buddyは現時点では英語のみの対応となっている。
Workout Buddyは、Bluetoothヘッドフォンを接続したApple Watchで利用可能で、Apple Intelligence対応のiPhoneが近くにあることが必要。
ワークアウトアプリは新レイアウトになり、ユーザーの好みとワークアウトの種類に応じて、聴く音楽を提案する。アプリの隅にある4つの新しいボタンによって、ワークアウト表示、カスタムワークアウト、ペーサー、レースコースなどのお気に入りの機能に簡単にアクセスできる。また、通知を簡単に非表示にするため、新たに片手手首フリックジェスチャを導入する。
ワークアウトアプリからの音楽設定にも対応。Apple Musicでは、ワークアウトの種類と個人の好みに応じて、ユーザーのワークアウトに最適なプレイリストを選択可能とする。
どの文字盤からでも重要な情報にすばやくアクセスできる「スマートスタック」も改善。次に使うと思われる機能を、先読みプロンプトで提供し、例えば、いつもの時間にスタジオに到着した時にピラティスのワークアウトが表示される。
「メッセージ」ではApple Intelligenceを使った「ライブ翻訳」に対応。受信したテキストを手首で希望する言語に翻訳できるようになる。
Apple Watch Series 9/10、Apple Watch Ultra 2では、シンプルな手首フリックジェスチャで、通知を管理できる。手首を上げたけれど通知に反応する準備ができない場合、すばやく手首を返すことで、通知を非表示にできる。通知の非表示と電話の着信の拒否、タイマーとアラームの消音、文字盤に戻る際などに利用できる。
また、Apple Watchの通知、タイマー、アラーム、電話の着信、Siriのスピーカーの音量を、周囲の雑音に応じて自動的に調節できるようになる。
その他、「メモ」アプリがApple Watchに登場。ユーザーは手首の上からメモにアクセスできるようになる。メモの内容をチェックしたり、Siri、音声入力、キーボードを使って新しいメモを作成できる。
デベロッパは、デザインやスマートスタックなど、watchOS 26の新しいAPIを利用可能になる。例えば、Control Widget APIを利用すると、デベロッパはカスタムコントロールを作成して、コントロールセンター、アクションボタン、スマートスタックのウィジェットに追加できる。
Smart Stack Relevance APIを利用すると、例えば、位置情報のAPIを利用してスキーリゾートにユーザーが到着した際に、スマートスタックはゲレンデに関するウィジェットを賢く表示できる。