ニュース
新ブランドのイトーキ、チェア集中のオカムラ、段ボールの無印 オルガテック
2025年6月4日 09:00
ケルンメッセによるオフィス家具の展示会「ORGATEC TOKYO 2025」(オルガテック東京 2025)が開幕した。期間は6月3日~5日。会場は東京ビッグサイト・南展示棟のホール1~4。来場者数は4万人を見込んでいる。
オフィス家具関連の約160のブランド・メーカーが集まる展示会「オルガテック東京」がスタートした。今年は、イトーキ、オカムラ、コクヨといった大手メーカーの大型ブースが南展示棟ホール3~4(4階)に、初出展の良品計画(無印良品)や海外ブランドを含めた中~小型のブースがホール1~2(1階)という2層の構成になっている。
なおコクヨの新型チェアについては別記事で紹介している。
独創的な新ブランドを立ち上げたイトーキ
イトーキはオフィス家具の新ブランド「NII」(ニー)を発表。第1弾ラインナップの4点が公開され、一挙に展示されている。
NIIは、グローバルに活躍するデザイナーと協業し、既存の枠にとらわれない独創性の高いデザインが特徴。ガラステーブルなどオフィス家具ではタブー視されてきたという要素も大胆に取り込んでいる。働く人を“主人公”と位置付け、「オフィスを魅力的で活気ある舞台へと昇華させる」と謳う。
改めてチェアにフォーカスするオカムラ
オカムラのブースは、改めて「チェア」にフォーカスした内容。新旧さまざまな約100脚のプロダクトが展示され、オフィス向けだけでなく駅や空港、スタジアムなどさまざまな場面で使われている製品が紹介されている。高所に置かれた製品は下から見上げる形になるが、これは「下から見ても手を抜いていない」ことを暗に示しているとか。
ブースには詳細を把握するスタッフ「チェアマスター」が滞在し、製品のこだわりを解説するほか、「異硬度クッション」「バックカーブアジャスト機構」などオカムラ独自の機構を体感し解説を受けることができる。
強化ダンボール・ブースを展示する無印良品
オルガテック初出展の良品計画は、「無印良品 for Business」としてブースを展開している。同社は、公共施設や他社オフィスの内装や家具、什器を手掛けるなど幅広い実績があるほか、住宅販売やリノベーションのノウハウが共有されているのも特徴。
ブースでは「ぜんぶ無印良品でつくるオフィス」とアピール。板材やカーペットなど素材だけの販売から、デスクやチェアの完成品まで“買い方”や組み合わせの自由度が高く、店舗の什器などでもアイデアを反映させやすいことが訴求されている。
ひっそりと設置されているものの、現在開発中という、オフィス内にミーティングスペースを追加するパーティション製品も展示されている。組み立てると壁に囲まれたミーティングスペースが出来上がる。素材は強化ダンボール製で、設置や移設が比較的簡単に行なえるほか、不要になった場合は資源ごみとして回収できるという。入口ドアはリノベーション住戸などで採用されている「ダンボールふすま」を応用したものになっている。
コラボも豊富なカリモク
カリモク家具の展示テーマは「なんでも作るよ」。これは、コラボレーションや協業を拡大してきた同社の姿勢を表すもので、コラボレーション向けの木の素材の紹介から、これまでの実績まで幅広く展示されている。
幅広いコラボレーションの象徴的な展示として、カリモクのオフィス家具ブランド「Karimoku New Standard」のラウンジチェア「Polar Lounge Chair L」(ポーラーラウンジチェア)における、3つのコラボ製品が展示されている。
ひとつはアシックスとのコラボによる、廃棄予定のシューズを粉砕し家具のクッションにリサイクル材料として有効活用した特別モデル。
ふたつめはファッションブランド「ファクトリエ」とのコラボで、PFASフリーの撥水加工「NEWEVER加工」(ニューエバー加工)を施した「リサイクルポリエステルデニム生地」を採用する限定製品。みっつめは、アートセンター・福祉施設「やまなみ工房」所属のアート作家・山﨑菜那氏による作品が展示されている。