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ファミマ、新型コーヒーマシン導入 9段階の挽き目でメニュー倍増

ファミリーマートは、約7年ぶりに「FAMIMA CAFÉ」の新しいコーヒーマシンを導入する。新型では豆の挽き目を9段階に引き分けることができ、メニューごとに最適な粒度で設定される。提供メニューは従来の16品から34品へと倍増する。価格は従来マシンと同様で、ブレンドSが145円など。

ファミリーマートのコーヒーは2013年の導入から、コーヒー豆や焙煎手法、抽出レシピにこだわったコーヒーを提供しており、従来のマシンは2018年に導入した。従来型の豆の挽き目は1段階。

今回、コンビニ業界では初となる、モータードライブを搭載した挽き方調整グラインダを導入することで、豆の挽き目を9段階に挽き分けることを可能とした。

FAMIMA CAFÉでは2020年から、ブラックコーヒーの美味しさを競う世界大会「WORLD BREWERS CUP 2016」でアジア人として初めて世界チャンピオンに輝いたバリスタ・粕谷哲氏と、コーヒーを共同開発している。新型コーヒーマシンでも粕谷氏とともに「業界No.1のおいしい!」を目指して開発を行なった。

粕谷哲氏

豆の挽き目を9段階にしたことも粕谷氏の意見を反映させているが、加えて、挽き豆から均一に抽出するために抽出方法を変更。すべての粉から同じように抽出することはバリスタがいつも意識していることであり、均一でないと味がぼやけてしまうという。出したい味をイメージして生豆の剪定から焙煎ブレンド比率まで行なうが、最終的にカップの中に表現するには均一な抽出が重要となる。

そのために新型マシンでは、チャンバの形状、注湯方法、攪拌方式を変更した。チャンバとは、コーヒーの粉とお湯を攪拌する容器。

また、従来のマシンのメニューはボタン式だったが、新型ではタッチパネルに変更。これによりメニュー増加に対応するとともに、今後も新メニューの追加が容易となる。

タッチパネルを採用
新型と従来型(写真奥)
選択手順

豆の粒度調整やタッチパネルにより、ブレンドやアイスコーヒーは、「普通」「軽め」「濃いめ」の3種から選べるようになった。これまではブレンドの場合、普通のほかに「濃厚」を選べるのみだった。

またカフェラテはこれまで1種だったが、「レギュラー」「ミルクリッチ」「コーヒーリッチ」の3つから選べるようになった。

味わいの特徴は以下の通り。

  • ブレンド 普通:香りとコクの絶妙なバランス、満足度の高い味わい
  • ブレンド 軽め:心地良い苦みと軽やかさですっきりとした味わい
  • ブレンド 濃いめ:控えめな酸味とほどよくビターで深みのある味わい
  • カフェラテ レギュラー:濃厚なミルクとコーヒーの絶妙なバランス、濃厚ながらもすっきりとした後味
  • カフェラテ ミルクリッチ:しっかり濃厚なミルクの甘味
  • カフェラテ コーヒーリッチ:ほんのりビターなコーヒーの味わい

発表会で試飲したところ、それぞれ個性を感じる味わいで、まずは飲み比べて好みを探しても良いのではないかと感じた。また「軽め」は、すっきりとしながらもコーヒーの味わいをしっかり感じられるもので、決して「濃いめ」の逆で薄いわけではない。

FAMIMA CAFÉは、2024年に過去最高の売上を記録。また、飲用目的は「リラックス・リフレッシュ」へのニーズが上位というデータがある。ファミリーマートでは新型マシン導入によるFAMIMA CAFÉのさらなる伸長を目指すとともに、平日・休日、時間帯、あわせる食べ物などによって「その時の気分で飲みたいもの」を手軽に専門店品質で提供するとしている。

新型コーヒーマシンについて説明するファミリーマート 商品本部 FF部 副部長 鍵浦信氏

新型コーヒーマシンの設置は、6月から大阪・関西万博店およびムスブ田町店で開始。26年5月を目途に全国のファミリーマート店舗で設置完了する予定。なお、新型コーヒーマシンの製造メーカーはサンデン・リテールシステム。